細沢礼輝
昨年3月、最大震度6強を観測した福島県沖地震で東北新幹線が脱線した事故を受け、JR東日本は9日、2017年度から始めた現行の耐震補強計画を見直すと発表した。高架橋や電柱の補強対象を拡大し、総投資額を1・5倍の4500億円に増やす。
福島県沖地震では、柱とはりを組み合わせた構造で橋桁を支える橋台が沈下する被害があったことから、28年度までに同じ構造の橋台全6千本に鋼板を巻いて補強。ほかの構造の高架橋のうち、建設時期が古いなどの理由で沈下の恐れがある1万3200本については33年度までに補強する。電柱は補強対象を現行計画の倍の8千本に増やし、鋼管に取り換えるなどの対応を取る。
この地震では、東北新幹線が脱線して高架橋や電柱が損傷し、全線再開まで約1カ月かかった。JR東は車体が強い横揺れを受けていたと分析し、横揺れを抑えるダンパーを取り付け、逸脱防止装置を改良する対策を検討している。鉄道総合技術研究所と協力し、地震発生直後に列車を緊急停止させるシステムの改良にも取り組むという。(細沢礼輝)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル